紙から画面、表現の引き継ぎ
手描きイラストには、筆致や紙の質感といったデジタルでは再現しきれない魅力があります。しかし、それをデジタル化して公開・保存・加工するには、「スキャン」と「補正」という避けて通れないプロセスがあります。
今回は、手描きイラストをスキャンしてデジタルで扱う際のポイントを、「スキャン」「補正」「注意点」というテーマに分けていくつかご紹介します。
スキャン編:正確に、そして丁寧に「写し取る」
手描きイラストのスキャンで最も大切なのは、原稿の魅力をできる限り忠実に取り込むことです。ただの複製作業と思われがちですが、ここには多くの判断が必要です。
まず解像度。線画であれば最低でも300dpi〜600dpi、水彩や色鉛筆などの微細なニュアンスを再現したい場合は600dpi以上が推奨されます。解像度が低すぎると、線がガタついたり、色ムラが潰れたりして、せっかくの表現が失われてしまいます。
カラーモードは、線画のみなら「グレースケール」でも事足りますが、色のあるイラストは「フルカラー(24bit)」で取り込むのが基本です。また、スキャン設定で「自動補正」や「コントラスト調整」がオンになっていると、思わぬ色味の変化が生じることもあるため、できるだけ補正なしでスキャンするのが望ましいです。
補正編:手描きらしさを壊さず、見栄えを整える
スキャンが終わったら、次はデジタル補正の工程です。ここで求められるのは、手描きの風合いを保ちつつ、「見せるため」の最終調整を行うこと。
まず、明るさとコントラストの調整。紙の地色がグレーっぽくなってしまった場合は、「レベル補正」や「トーンカーブ」で紙の白を白く、線や色を引き立たせるようにします。ただしやりすぎると、薄い色や陰影が飛んでしまうため、微調整が基本です。
色味に関しても同様で、スキャナーによっては青っぽくなったり赤みが強くなったりすることがあります。「カラーバランス」や「色相・彩度」などの調整ツールを使って、原画に近い色合いを再現することが理想です。
また、ゴミやホコリの写り込みも要注意です。これはクリーンアップ作業(不要な点を消す、紙の質感を均す)で対応可能ですが、時間と手間がかかります。スキャン前に原稿の表面を柔らかい布などで軽く拭くだけでも、かなり防げます。
デジタルで扱う際の注意点:仕上げと保存
補正が終わった後に考えるべきは、「その作品をどう使うのか」です。SNS投稿用なのか、印刷前提のデータなのか、アーカイブ保存なのかで、保存形式やサイズの選び方が変わってきます。
- SNS投稿やWeb用 → JPEG(低圧縮)、PNG(透過が必要な場合)
- 印刷用 → TIFFやPSD(非圧縮・レイヤー保持)
- アーカイブ保存 → TIFF推奨(高解像度・非圧縮)
また、保存時はカラープロファイルを統一しておくことで、画面や印刷での色ブレを防げます。作業用データと公開用データを分けて管理するのも、ミスを防ぐうえで有効です。
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