色再現とファイル容量
日常業務やアーカイブ作業、クリエイティブ制作に欠かせない「スキャン」。特にカラー原稿を扱う際には、「とりあえず高解像度でスキャンしておけば問題ないだろう」と思いがちです。しかし実際には、色再現の精度やファイル容量の膨張といった、見落とされがちな落とし穴が存在します。
今回は、カラースキャンの盲点を「色再現」と「ファイル容量」という二つの観点からいくつかご紹介します。
色再現の罠:スキャンすれば「そのまま」になるわけではない
「スキャンすれば原稿と同じ色になる」——そう思っている人は少なくありません。ところが、カラースキャナーは万能ではありません。スキャナーに搭載されているセンサーの性能や、内部処理で使用されているカラープロファイルによって、実際の色とデジタルデータの色が大きく異なることがあります。
特に問題になりやすいのは、アート作品や写真、印刷物のスキャンです。微妙な色味やグラデーションの再現において、スキャナー側が勝手に色補正を行うことで、「本来の色味が変わってしまう」ケースが多くあります。また、使用するモニターによっても見え方は変化するため、スキャン後の色調整作業は不可避となります。
高解像度スキャンは本当に必要か?
もう一つ見落とされがちなのが、ファイル容量の問題です。「とにかく高解像度でスキャンすれば、後から使いやすい」と考えがちですが、これは一概に正しいとは言えません。
例えば、A4サイズのカラードキュメントを600dpiでフルカラー(24bit)スキャンすると、1枚で50MB以上のファイルになることも珍しくありません。複数ページをスキャンすれば、すぐに数百MB、あるいは数GBに達してしまいます。これにより、以下のような問題が発生します:
- ストレージの圧迫
- ファイルの送受信に時間がかかる
- アプリケーションでの読み込み・表示が遅くなる
- クラウドでの共有・保存に制限が出る
目的が「閲覧用」なのか、「印刷用」なのか、「アーカイブ用」なのかによって、最適な解像度やカラーモードを使い分けることが肝要です。例えば、ウェブ掲載用なら150dpi〜200dpiで十分なこともありますし、モノクロ文書ならグレースケールや2値スキャンで大幅に容量を削減できます。
最適なスキャンとは「目的に応じたバランス」
最終的に重要なのは、「何のためにスキャンするのか」という目的意識です。高解像度・高画質であることが正解とは限りません。色再現にこだわるなら、ハードウェアとソフトウェアの設定を緻密に調整する必要がありますし、ファイル容量とのバランスを考えなければ、日々の運用に支障が出ることもあります。スキャンは一つの“翻訳作業”です。
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