電子データの長期保存
スキャンによるペーパーレス化が進む一方で、見落とされがちなのが「スキャンデータの保存コスト」です。紙文書をスキャンして電子化すれば保管スペースや管理の手間は減りますが、その代わりに発生するのが、電子データとしての長期保存にかかるコストとリスクです。
例えば、法的に10年間保存が求められる帳簿書類や契約書などは、紙であれ電子であれ、長期の保存義務があります。スキャンしたデータが大量に蓄積されるにつれ、クラウドストレージやオンプレミスサーバーの容量拡張、バックアップ体制の強化、データの整備・整理といった、見えづらいコストがじわじわと増えていきます。
今回はスキャンデータの長期保存にかかるコスト分析についていくつかご紹介します。
【保存方法ごとのコスト比較】クラウド vs. オンプレミス
スキャンデータの保存コストは、主に「クラウド保存」と「オンプレミス保存(社内サーバー)」のどちらを選ぶかで大きく変わります。クラウドは初期投資が少なく、柔軟な容量拡張が可能ですが、月額または年額のストレージ料金が発生し、長期的には一定の運用コストが積み重なります。
一方、オンプレミスは導入時にサーバーや保守環境の初期投資が必要ですが、データ量が多い場合には長期的に見てコストを抑えられるケースもあります。ただし、セキュリティ対策や停電・災害対策、システム管理者の人件費なども考慮する必要があり、単純な「保存料」だけでは判断できません。どちらが適しているかは、保存対象の重要度・容量・利用頻度・予算などを総合的に判断して選ぶ必要があります。
【見落としがちなコスト項目】「保管」ではなく「管理」の費用
スキャンデータの保存にかかるコストは、単なるストレージ使用料にとどまりません。たとえば、「データの整理・分類」「フォルダ構成の最適化」「ファイル名やメタデータの標準化」「検索性の確保」といった“データ管理業務”にも時間と労力が必要です。
また、法令対応(電子帳簿保存法など)や監査準備に向けた整備、ファイル形式の統一(PDF/Aなど)、定期的なデータ検証・フォーマット更新なども長期保存には欠かせません。さらに、人事異動によって誰がどのデータを管理していたかが不明になり、属人化による“放置データ”が増えると、情報漏洩や証跡不備のリスクも発生します。つまり、スキャンデータの長期保存における最大のコストは、「管理体制を維持し続けるための継続的な工数」なのです。
長期保存対策
コストを抑えながらスキャンデータを長期保存するためには、いくつかの実践的な対策があります。まずは、保存対象を明確にし、「何を、どこまで、どのくらいの期間保存するか」を定義づけること。すべての文書を無条件でスキャン・保存するのではなく、保存対象の優先順位をつけ、必要な文書だけを管理する方が効率的です。
また、クラウドや文書管理システムの活用により、自動仕分け・自動バックアップ・期限通知などの機能を取り入れることで、手間と人件費を削減できます。さらに、PDF/A形式など長期保存に適したファイルフォーマットを使用し、将来のデータ読み取りリスクも軽減することが望ましいでしょう。スキャンデータは「捨てられない情報資産」です。単に残すのではなく、“使える形”で保存し続ける仕組みこそが、これからの時代に求められる情報管理なのです。
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