スキャンデータのバックアップはどこまで必要?

スキャンしたから安心」は本当か?

紙の資料をスキャンしてデジタル化すれば、劣化や紛失のリスクを回避できる――これは確かに正しい考え方です。しかし、スキャンしただけで「万全」と思い込むのは危険です。デジタルデータは、確かに物理的な損傷には強いものの、クラッシュ、誤削除、ウイルス感染、システム障害といったデジタル特有のリスクを常に抱えています。

特に、スキャンデータは原本となる紙書類を破棄した後は「唯一の記録」となることが多いため、その消失は大きな損失となり得ます。つまり、「スキャンした=安心」ではなく、「スキャンして、適切にバックアップしてはじめて安心」といえるのです。

今回は、スキャンデータのバックアップはどこまで必要かについていくつかご紹介します。

バックアップの役割とは?──単なる“コピー”ではない情報保全戦略

バックアップとは、単に同じファイルを複数保存する行為ではありません。目的はあくまで、「元のデータが何らかの理由で失われた場合に備えて、確実に復元できるようにしておくこと」です。つまり、バックアップは企業の情報資産を守る“保険”のような役割を果たしているのです。

バックアップが必要とされるケースは多岐にわたります。たとえば、誤ってファイルを削除した、ウイルスによってデータが破壊された、クラウドサービスが停止した、あるいはランサムウェアに感染した――こうしたトラブルが発生したとき、適切に取られたバックアップがなければ、スキャンデータを含む重要資料が完全に失われてしまうことになります。

どこまで必要か」の答えは、データの重要度と業務特性に応じて決まる

スキャンデータのバックアップが必要であることは明らかですが、「どこまでやるべきか」は一律に決められるものではありません。それは、スキャンしたデータの重要度や業務上の位置づけによって大きく変わってくるからです。

例えば、法的保存義務のある契約書や登記関係の資料であれば、二重・三重のバックアップ体制が必要です。これには、社内サーバーとクラウドストレージの併用、さらに外部メディアへの定期保存などが考えられます。一方で、社内の参考資料や過去の図面など、万が一失われても業務に大きな支障が出ないものについては、シンプルなクラウド保存で十分というケースもあります。

バックアップの強度は、「リスクに見合ったコストで、必要な水準を満たす」ことが理想です。そのためには、データ分類(重要・通常・一時)と、保存ポリシーの明確化が欠かせません。

クラウドに任せきりは危険?──サービス障害とプラットフォーム依存のリスク

近年ではクラウドストレージにスキャンデータを保存するケースが一般的になりつつあります。確かに利便性が高く、共有・検索・アクセス管理などの機能も整っており、非常に有効な手段です。しかし、だからといって「クラウドに入れたからもう安心」と思い込むのは危険です。

なぜなら、クラウドサービスもシステム障害、契約トラブル、サービス終了などによるリスクを抱えているからです。実際に、大手クラウド事業者でも過去に数時間~半日にわたる障害が発生した事例が複数あります。仮にそのタイミングで、重要な契約データにアクセスできなかった場合、業務が完全に止まってしまう可能性もあります。

したがって、クラウドにデータを保存する場合でも、別のメディアへの定期バックアップを併用することが重要です。依存先が1か所であること自体が、ひとつのリスクなのだと認識する必要があります。

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