スキャニングにおける失敗事例とその対策

失敗の原因と適切な対策

スキャニング(スキャン)とは、紙の書類や写真、フィルム、あるいは実物の対象物をデジタルデータに変換する作業のことを指します。スキャニングはデジタル化の第一歩として非常に重要ですが、実務で多くの失敗やトラブルが発生しやすい工程でもあります。失敗の原因を正確に把握し、適切な対策を講じることが品質の高いデジタルデータを得るために必須です。

以下に代表的な失敗事例と、その対策を詳細に説明していきます。

失敗事例:読み取りの不鮮明・ぼやけ

<原因>

・スキャナーのガラス面が汚れている、あるいは傷がついている。

・原稿がスキャナーに正しくセットされていないためにずれている。

・解像度(dpi)が不足している。

「ガラス面の定期的な清掃」
専用クリーナーや柔らかい布で、スキャナーのガラス面を定期的に丁寧に拭くこと。埃や指紋が付着していると光の透過や反射が乱れ、画像の鮮明さに悪影響を与える。

「原稿のセット位置の確認」
原稿をスキャナーの指定された位置に正確にセットし、動かないように固定すること。特にADF(自動原稿送り装置)を使う場合は、原稿が重なっていないか、曲がっていないか確認が必要。

「適切な解像度の設定」
原稿の種類に応じた解像度を選ぶ。例えば文書は300dpi、写真は600dpi以上が推奨される。解像度が低すぎると画像がぼやけてしまう。

失敗事例:色の再現性が悪い・色味が異なる

<原因>

・スキャナーの色補正機能が不適切に設定されている。

・原稿の色味がスキャン後に変化(黄ばみや色あせなど)。

・モニターやプリンターのカラーマネジメントがされていない。

<対策>

「カラープロファイルの適用と管理」
ICCプロファイルを利用して、スキャナーとPC、ディスプレイ間での色の一貫性を保つ。これにより色味のずれを抑制できる。

「スキャナーの色補正機能の調整」
スキャナーに搭載されている自動色補正や色調整機能を適切に設定する。必要に応じて手動で色温度や彩度を調整。

「キャリブレーション機能の使用」
スキャナーやディスプレイを定期的にキャリブレーション(色調整)し、正しい色再現を保つ。

失敗事例:ファイルの形式・サイズの問題

<原因>

・不適切なファイル形式で保存(例えば、圧縮率の高いJPEGで細かい文字をスキャンした場合など)。

・ファイルサイズが大きすぎて扱いにくい。

・解像度が高すぎて処理が遅い。

<対策>

「用途に応じたファイル形式の選択」
文書はテキスト認識も考慮してPDFやTIFF形式、写真は高画質を保ちつつ圧縮できるPNGや高品質JPEGを使う。文書は特に文字の鮮明さが求められるので無圧縮か低圧縮が望ましい。

「適切な解像度と圧縮設定」
必要以上に高解像度にせず、使う目的に合ったdpiを選択。ファイルサイズのバランスを見て圧縮率を調整する。

「ファイルの管理・整理」
スキャンしたデータは適切に命名し、フォルダ管理を徹底する。必要に応じてPDFのOCR(文字認識)処理を行い検索性を高める。

図面スキャン・電子化のお悩み解決致します!
お気軽にご相談下さい!

ご相談・お見積りは無料です! 物量が多い場合は、
現地見積にお伺い致します!

019-643-8481
電話受付時間 9:00~18:00
( 土日祝除く )

お見積り・お問合わせ