技術的な相関、認識精度
スキャン精度とフォント認識の相性については、文書デジタル化やOCR(光学文字認識)技術において極めて重要な要素であり、両者の関係は単なる技術的な相関にとどまらず、最終的な認識精度、可読性、運用効率などにまで深く影響を及ぼします。
今回は、スキャン精度とフォント認識の相性について、様々な角度からご紹介します。
フォント認識とOCRの仕組み
OCRエンジン(たとえばTesseractやABBYYなど)は、画像から文字領域を抽出し、そこに含まれる字形(グリフ)を既知の文字パターンと照合することでテキスト情報に変換します。このとき、認識の成否は「フォントの形」と「学習データ」の適合度に強く依存します。
「明朝体 vs ゴシック体」‥‥明朝体は筆先の強弱やセリフ(ひげ部分)が多いため、潰れやすく、スキャン精度が低いと認識率が下がりやすい。一方ゴシック体は均一で直線的な要素が多く、多少の劣化にも強い。
「手書き風フォントや飾り文字」‥‥OCRが誤認識しやすく、スキャン精度が高くても認識率は低下する可能性がある。
「等幅フォント vs 可変幅フォント」‥‥OCRエンジンによっては等幅フォントの方が文字位置の予測が容易で、結果的に高精度な認識につながる。
両者の相性が悪い場合の問題
スキャン精度とフォントの相性が悪い場合、以下のような問題が発生します。
「誤認識」‥‥たとえば「1(数字のイチ)」と「l(小文字のエル)」、あるいは「0(ゼロ)」と「O(オー)」の区別がつかなくなる。
「文字落ち(未認識)」‥‥にスキャン時の解像度が低いと、細い文字(例:明朝体の“へ”や“く”など)が背景と同化し、認識されない。
「レイアウト崩れ」‥‥スキャン画像のゆがみや傾きによって、文字の配置がずれて認識結果が読みづらくなる。
「処理効率の低下」‥‥OCRの前処理(傾き補正、ノイズ除去など)に時間がかかり、処理全体が非効率になる。
改善策と実務的な工夫
実務で相性の悪さを克服するには、以下のような対策が有効です。
「高解像度でのスキャン」:最初から600dpi以上でスキャンすることで、細部まで鮮明な画像を得られる。
「バイナライズ処理の工夫」:OCR処理前に、適切なしきい値でバイナライズ(二値化)を行うことで、文字と背景のコントラストを強調する。
「事前学習済みモデルの活用」:Tesseractなどは特定の言語・フォント用の学習データがあるため、用途に応じたものを選定する。
「フォント統一」:デジタル文書をスキャンする場合は、あらかじめOCR適性の高いフォントで印刷することも可能。
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