アーキビスト
アーキビストは、資料の保存と利活用のバランスを常に意識し、文化的・歴史的資産の長期保存と公共への提供という両立を目指します。以下では、スキャンされた図面や地図の利活用方法を、「保存」「アクセス」「コンテクストの維持」「著作権・倫理」「デジタル技術の応用」という3つの観点からご紹介します。
保存:原資料の代替と補完としてのスキャン画像
アーキビストの最も基本的な役割は資料の永続的な保存にあります。図面や地図は紙媒体であることが多く、酸化・湿度・光によって劣化が進みやすいため、スキャンによるデジタル化はその保全に大きく貢献します。
特に、建築図面や地形図のような大型で精密な資料は、折り畳みや開閉の繰り返しで破損しやすく、デジタル画像による参照が現物の劣化を防ぐ手段となります。また、スキャン画像は災害や事故による喪失に備えるバックアップの役割も担い、デジタルアーカイブの基礎として極めて重要です。
アクセス:利用者の利便性向上と情報の公開
スキャンした図面や地図は、物理的な制約を超えて利用者にアクセス可能な状態を提供します。図面の閲覧には特定の閲覧室や設備を必要とする場合も多くありますが、デジタル化された画像はオンラインでの公開が可能となり、遠隔地からの利用も促進されます。
例えば、歴史的建造物の図面を公開することで、研究者、建築家、教育機関、地域住民など多様なステークホルダーが自由に参照できるようになり、地域遺産への関心や教育的価値が高まります。また、GIS(地理情報システム)との連携により、旧地図と現代地図を重ねて比較・分析することも可能となり、都市史や地域開発の研究に資する資料となります。
コンテクストの維持:メタデータの重要性
単にスキャンして画像として保存するだけでは資料の本質を捉えることはできません。アーキビストは、図面や地図が作成された背景、用途、制作者、使用された技術、所蔵の変遷など、文脈(コンテクスト)を重視します。これらの情報を「メタデータ」として記録・管理することが極めて重要です。
たとえば、ある都市計画図がいつ、どの行政機関の指示で作成されたかという情報が記録されていれば、それが単なる地図ではなく、政策決定の一端を示す歴史資料として活用できます。メタデータの整備は、スキャン画像の真正性(authenticity)や信頼性(reliability)を担保するうえでも不可欠です。
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