特殊なインクの特徴とは
スキャン代行サービスで取り扱いが難しい、またはできない特殊なインクを使った紙媒体は、通常の印刷物とは異なる物理的・化学的特性を持つため、スキャナーでの読み取りが困難になります。こうした特殊なインクは、セキュリティ対策や視覚的効果を狙って使用されることが多く、スキャナーの機械的な特性や光学センサーの性能に影響を与えることがあります。
以下では、特殊なインクが使われているのはどんな媒体なのかをいくつかご紹介します。
熱感知インクを使用した紙媒体
熱感知インクは、温度変化によって色が変わる特性を持つインクです。このインクは、主にセキュリティ目的やプロモーション用途で使用され、温度が変化することで印刷物に隠された情報やメッセージが表示される仕組みです。例えば、特定の温度を超えると文字が浮かび上がるような印刷物です。
これをスキャンしようとすると、スキャナーの光源や温度が影響を与え、色が変わるため、スキャン結果が不正確になる可能性があります。特に熱感知インクを使った書類(例えば、セキュリティ文書やプロモーション用のチケットなど)は、スキャン中に温度や光源による色変化が起こり、元の情報が正確に読み取れなくなるため、スキャン代行サービスでは取り扱いができない場合が多いです。
蛍光インク(紫外線インク)を使った紙媒体
蛍光インク、または紫外線(UV)インクは、特定の波長の光に反応して光を発する特徴を持つインクです。これらのインクは、通常、偽造防止やセキュリティ対策のために使用されます。蛍光インクで印刷された書類は、紫外線ライトを当てると隠れた情報や特徴的な模様が浮かび上がります。これにより、印刷物が通常の環境下では見えない部分を表示させることができます。
スキャナーで蛍光インクを使った印刷物をスキャンすると、蛍光インクが反射しすぎてしまい、スキャンされた画像がぼやけてしまったり、誤った部分が強調されてしまうことがあります。スキャナーの光源と蛍光インクの反射の関係で、特定の部分が過剰に明るくなり、正確な読み取りができなくなります。そのため、蛍光インクを使用した書類は、スキャンが難しくなることがあります。
色変化インク(温度感応インク)を使用した紙媒体
色変化インクは、温度や湿度、さらには光の当たり方によって色が変わるインクです。これにより、特定の条件下で隠されたメッセージが浮かび上がるなどの視覚的な効果を得ることができます。たとえば、温度が高くなると印刷物に記載された情報が明らかになるという仕組みです。
色変化インクで印刷された書類をスキャンすると、インクが反応して色が変わるため、スキャナーの光源や温度の影響で、スキャン結果が予期しない色合いになることがあります。これにより、インクが本来持っている情報が見えなくなったり、誤った色で表示されたりすることがあります。色変化インクを使用した書類は、スキャンにおいて問題が生じやすいです。